実家に振り込め詐欺の電話があったそうです

 父が電話を取りました。 
「市役所の者ですが、3月29日発送の市役所からの封書が届いてますか?」という電話だったそうです。
 
「覚えていませんが、何のことでしょう」と尋ねると、
「現在、70歳以上の医療負担は一割となっていますが、昨年『二割請求された』、『三割とられた』という苦情があり、本年度から年に一度申請してもらう制度に変更になったというお知らせです。送付した封書には申請用の返信封筒も同封しましたが、見あたらないようでしたら本人確認をしていただくことになりますので、お手数ですが厚生労働省の保険局健康保険課に電話してください。番号は03-6842-3078。内線115が千葉県担当です」
 とのこと。
 
 指示された番号に電話すると「荒木」と名乗る担当者(男性)が出て、「確認しますので住所、氏名、生年月日、電話番号をおっしゃってください」と言い、伝えると「いったん電話を切ってお待ちください」と言いました。
 それから10分もしないうちにまた電話があり、
「確認が取れましたので完了証明書を送付します。ついては、この法改正にともなって『保険外手当て見直し調整金』が生じます。平成21年4月1日〜平成24年3月31日までが見直し期間で、ご主人のぶんが1万3240円、奥さまが1万4310円の返金となります。
 そのお金を振り込みますが、個人情報保護法の関係で、国は銀行の本店としか連絡が取れません。なのでおたくさまの取引銀行名だけお教えください。けっして支店名はおっしゃらないでください。念のため、携帯電話の番号もお知らせください」
 
 父は疑念もなく携帯の番号を教えて電話を切りました。
 するとすぐにまた家の電話に着信があり、
「千葉県内に同姓同名の方が三人います。本人確認ができないと振り込みができません。恐縮ですがキャッシュカードと通帳を持って、銀行の指定する支店で本人確認を取ってください。指定支店は◎◎銀行の千葉駅前店です」
 父は「そんな遠くには行けません」というと、「ではお近くのコンビニに行って、こちらにお電話いただければ、こちらから銀行の人間に話を繋ぎますので、カードと通帳を持って最寄りのATMがあるコンビニに行ってください」とのことで電話が切れました。
 
 父はカードと通帳を探しながら「おかしいな」と思い、念のためネットで厚生労働省の番号を調べて電話してみたところ、健康保険課という部署は存在しない、そもそも03-6842-3078という番号は官庁ではない、それは振り込み詐欺ではないか、地元の警察署に電話で確認したほうがいいです、とのこと。そこで最寄りの警察署に電話で通知したところ、「そういう手口が増えてるんです」と教わり、ハッキリ詐欺だと判明しました。


 今回、警察に正式に通知するため、電話を切った直後に父が事の次第を細かく文章化したことで、今回の手口が判明しました。話を聞いていて驚いたのは、以下の点です。


・後期高齢者医療制度改革の話から始まり携帯電話番号や生年月日を聞き出す
・厚生労働省を名乗り番号を指定、自分から電話させる(なお上記の番号はもちろん警察に通知済みですから、すでに通じなくなっているようです)
・還付金があるが(自宅からは遠い)銀行の支店名を出して「行けないならコンビニATMへ」と誘導する
・ここからは想像だが、カードと通帳を持ってコンビニATMまで行かせてしまえば、振り込み詐欺としてはもう半分金を取ったようなものではないか
・老人はコンビニATMの操作に慣れていないので、電話口で指定口座へ振り込むようボタン操作を誘導するか、もしくは犯人が登場して操作介助として操作を代行し、お金を引き出してしまう等、あれこれと手口が浮かぶ


・「あとから考えればいろいろおかしかった」と父はいい、実際被害には遭わなかったものの、上記の手口は非常に巧みで、WEBで厚生労働省の電話番号がすぐ見つかり、担当者が丁寧に対応してくれたから発覚したが、そうでなければカードと通帳を持ってATMまでは行っていただろうと言っている


 以上、長々とですが、先日実家にかかってきた振り込み詐欺の手口を紹介いたしました。
 上記は警察署と市役所に提出するため、父が作製したメモを転記したものです。公共性が高いと判断し、ここに 公開いたします。手口が広まることによって、振り込み詐欺の被害が一件でも減少することを願います。


※この文章は2013年6月14日に作成されました。実家に電話があったのは同年5月末です(SBMにて「日付けがあったほうがよい」と指摘があったので追記します)。

[このメモに関しては @tarareba722 にお問い合わせください]