平山夢明さんが「書けなくなった時にしたこと」

狂気の作家、平山夢明さんが「書けなくなった」「ドン詰まりでダルマ状態だった」という状況に陥ったときに、精神科の臨床医でもあり著作も多数ある春日武彦さんに相談したところ、出てきたアドバイスは「掃除しろ」だったという話。


=====(引用開始)=====


平山夢明 何か一時期、僕もちょっと精神的に辛かったときに、自分で条件づけを自分にしてるんじゃないか? みたいなことをチェックしたことがあって。結構ね、条件つけてたんです、なんか。


春日武彦 それで自分をうまくコントロールしていってる。


平山 コントロールできればなあ、と思ったんですけど。いや、やっぱり一番効いたのは、あれですよ。春日先生の「部屋を掃除しろ」っていうアドバイス。あれ。それまでは全然、書けなかったんです、俺。あの『メルキオールの惨劇』書いたあと、全然書けなくてね。


春日 低迷期が続いてたね。


平山 すごい低迷期でしたよね。家族5人で年収180万円とかってさ。バイトの年収だよ。ていうか、バイトのほうが稼ぐじゃん。で、先生が「部屋を掃除しろ」って。てっきり、なんか、モリモリ元気のわく薬とかをくれるのかと思って喜んで行ったら、くんないの。


春日 うん。


平山 「汚いでしょう」とか言われて。「ええ、そう」とか。で、「それじゃあソージします」って。もうドン詰まりだからあがいても何も出てこない、身動きできないダルマ状態だったんで、「仕方ないけど、それやるか」って掃除したんです。すごく掃除した。全部キレイにして、床も30センチごとにマス切って、そこをクレンザーとタワシで磨いて。トイレなんて『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくるような。ねずみ男が使ってたみたいな便所だったのを、ホテルのトイレみたいにピカピカにした。金属磨きまで持ってきて。そうしたらそのあとすぐにね、6冊書けたんです。いきなり6冊書いて、その次の年は12冊かなんか書いて、18冊ぐらいまでいったんです。で、今は書きすぎていて気が狂いそう。


(以上ここまで、『「狂い」の構造〜人はいかにして狂っていくのか?〜』春日武彦、平山夢明対談 扶桑社新書刊より引用抜粋)


※参考/平山夢明さんは実話怪談シリーズで1993年ごろ本格的な執筆活動に入り、2000年に『メルキオールの惨劇』が文庫になったあたりで上記文中にあるような「ダルマ状態」に。その後上記のようなことがあり、2006年に出版した『独白するユニバーサル横メルカトル』で日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞、同作で宝島社主催「このミステリーがすごい!」2007年度国内部門1位、2010年には『ダイナー』で第28回日本冒険小説協会大賞、第13回大藪春彦賞を受賞する。


【同書Amazonリンク】(お薦めです) http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E7%...


【平山夢明氏wiki】 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B...
【春日武彦氏wiki】 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A...

[このメモに関しては @tarareba722 にお問い合わせください]